兼任はご法度


このプロジェクトが失敗した原因の一つとして体制の不備が挙げられる。


私はプロジェクトマネージャーをやりながら、営業やSEの役割も担った。
たまにはプログラミングも。。。
やってはいけないことをやっていたのである。


バブル崩壊直後のソフトウェア業界ではSEにも営業的役割を求められた。
SEでも原価意識を持ち、営業的なこともしなければならないとよく言われた。
それは今でも変わらないと思うが、人によってはできることとできないことがある。
できないことを無理にやろうとすると絶対にうまく行かない。


今回の場合、私は客と開発費用の交渉までしなくてはならなかった。
プロジェクトマネージャーの仕事として費用管理というものがあるが、それは支出に関する管理であって、収入に関しては営業に任せるべきである。
餅は餅屋で、価格交渉は営業に任せた方が良い。
交渉力をつければ良いではないかと言われるかもしれないが、「では次回に」と答えるしかない。


大きなプロジェクトでは、プロジェクトマネージャーの仕事は山ほどある。
システム全体を把握する必要があるので、各担当のSEがユーザーと打ち合わせするときは必ずでなければならないし、それだけでもかなりの時間が取られる。
全体の進捗管理、ユーザーへの進捗状況報告、協力会社も含めた要員管理、成果物に対する品質管理、上述の費用管理、関係者との調整等、枚挙に暇がない。
SEやプログラマーの仕事までやっている暇などないはずである。
それを兼任でやっていたのだから、うまく行くわけがない。


二度と兼任などするか!と決意を新たにしている。
兼任が必要なプロジェクトはどこかおかしいので、降りる勇気も持たなければならない。


ちなみに会社はこれにこりてシステム営業を入れることにした。


めでたし、めでたし。