費用管理

システム開発を受託する場合、運用や保守での利益を見込んで安く受注することがある。他社との競争に勝つためにも赤字覚悟で取りにいくこともある。それでも出費はできるだけ抑えたい。利益を見込んだプロジェクトでも納期遅延や品質不良が原因で赤字になるというのはよくあることだ。納期を遅らせると技術者を予定以上にかかえることになるため、余計に費用がかかる。社員であれば、別の仕事に着かせられるはずだったのにそれができなくなり、その分の売上が立たなくなる。協力会社を使っていれば、納期が遅れているので、途中で取引を打ち切るわけにはいかない。人件費や外注費が重なる一方で売上が立たないという悪循環に陥る。それだけで済めば良いが、納期遅延が元で発注者に損をさせると損害賠償にもなりかねない。さらに品質が悪ければ、必然的に納期が遅れ、前述のような出費があるだけでなく、品質を改善するために新しく技術支援チームやテストチームを編成したりして予定していなかった費用が発生する。こうなるとまさに骨折損のくたびれ儲けである。プロマネはそのような事態にならないように進捗管理や品質管理をしっかりとしなければならない。また、要員の心身のケアを行い、常に戦力を維持するために要員管理を行わなければならない。技術力や能力の高い技術者を確保し、力を発揮させるためにも組織管理、外注管理を怠ってはならない。質の良いものを納期通り発注者に提供するのがプロマネの使命である。それができ、さらに利益が上がれば、プロジェクトは成功である。近頃はユーザの要求も高く、ビジネスのサイクルが短くて納期が厳しくなるケースが増えている。プロマネにとってはどんどん厳しい時代になっていくだろう。プロマネとして生き抜くためには、自分の手のうちに収まるプロジェクトを手掛けるのが良い。規模を小さくして手のうちに収める努力も必要だ。自分の手のうちに収まれば、進捗管理や品質管理はうまくやれる。費用管理は家計簿をつけるように、支出記録をつけながら、支出を統制すればよい。システム開発では人件費や外注費がほとんどである。週報等から集計した作業時間と各人の原価を元にかかった費用が算出できる。原価は直接人件費や間接人件費、直接経費、間接経費、販売管理費等を元に構成人員で頭割りすれば概ね出てくる。職制や人件費の割合で各人に重み付けできればなお良い。費用管理は数字を追いかけるだけなので、他の管理に比べれば楽な方である。進捗管理や品質管理をしっかりやれば、自ずと費用が抑えられると考える。

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